「リーボック」がヴィクトリア・ベッカムとの初のコレクションを発売

「リーボック(REEBOK)」は23日、ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)との初のコラボコレクション“リーボック x ヴィクトリア・ベッカム(Reebok x Victoria Beckham)”を公式サイトで発売した。25日からは、伊勢丹新宿本店とバーニーズニューヨーク銀座店でも取り扱いを開始する。両者は2017年11月にパートナーシップを締結していた。

同コレクションでは、ヴィクトリアの美学であるミニマルスタイルをベースに、リラックスしたムードのデザインと機能性を融合し、スポーツウエアを新たな視点で表現する。

ファーストシーズンとなる19年スプリングコレクションは、ロサンゼルスとロンドンで過ごしたヴィクトリアの経験をインスピレーション源に、カリフォルニアのイメージとロンドン仕立ての洗練をミックスした。キャメルやシルバー、グレーなどのシーズナルカラーに、サンセットオレンジとブラック、ホワイトをキーカラーとして使用。くるぶしまで隠れるニットアッパーのスニーカー(3万5000円)、切りっ放しデザインの袖口が特徴のオーバーサイズフーディー(2万8000円)、ボンバージャケット(5万円)、ハイウエストタイツ(1万6000円)などをそろえた。各アイテムには、“Reebok”と“VB”が重なりあったデザイン、90年代の「リーボック」を象徴するベクターロゴと“VB”が組み合わさったデザイン、ベクターロゴと“VB”が並んだデザインの3種類のグラフィックをあしらった。

ヴィクトリア・ベッカムは、デザインについて「一つ一つのアイテムは動きに対して柔軟に適応するようにデザインし、最適なワークアウトをすることを考えて創ったが、それと同時にファッションのいかなるアイテムともマッチする流行にも即したアイテムを作り上げるということも重視した」と語った。

元プロデューサーらが語る次世代韓国カルチャー

韓国のエンターテインメントプロダクション「エクシス(AXIS)」は、これまでの韓流ムーブメントとは異なる道を進む。BIGBANGや、先日「コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル(Coachella Valley Music and Arts Festival)」にも出演したBLACKPINKなど人気K-POPグループを抱える韓国大手YGエンタテインメント(YG ENTERTAINMENT)の元クリエイティブディレクターであるSINXITY(シン・シティ)が独立し、韓国IT大手のネイバー(NAVER)から出資を受け、2018年2月末月に設立した。4月17日にはボーイズクルーambitious ambitionのメンバー、LOGANとelanが個々に4タイトルのデビューシングルを、また所属アーティストKATIEが新しいシングルをリリースし、日本での本格展開もスタートしたばかりだ。

ambitious ambitionはいわゆるK-POPグループのスタンダードとは異なり、音楽だけでなく雑誌の発刊、俳優からプロデューサーまでがそろうマルチクリエイター集団を名乗っており、さらにはファッションマガジン「アンビシャス アンビション(ambitious ambition)」を刊行するなど、従来の音楽グループとは異なる独自路線を行く。またKATIEも米国の人気ラッパー、タイ・ダラー・サイン(Ty Dolla $ign)と新曲でコラボするなど、韓国にとどまらない活動を行う。「エクシス」のSINXITY創業者と、ambitious ambitionクルーのLOGAN、elanに、この先の“韓流Zウエーブ”ムーブメントについて話を聞いた。

独立して「エクシス」を立ち上げた理由は?

YGでは取締役でクリエイティブの最高責任者、またブランド戦略最高責任者として経験を積んだ。アーティストプロデュース以外にもさまざまなクリエイティブコンテンツを作り、多くのクリエイターにいい環境を与えたいと思ったことが理由。

ネイバーから出資を受けた経緯は?

ネイバーとはYGからの付き合いで、両者が協業したプロジェクトを私が担当していた。YGのヤン・ヒョンソク代表が独立の際にネイバーに推してくれ、またネイバーがIT会社、プラットフォームとして世の中に貢献したいと考えるビジョンが私たちと一致して出資してもらった。ヤン代表は投資の話だけでなく、独立する際にも「すぐに起業したほうがいい」とアドバイスをしてくれましたし、YGの練習生だったKATIEが「エクシス」からデビューすることも後押ししてくれた。

「エクシス」が芸能事務所ではなく“クリエイティブプラットフォーム”を名乗るのはなぜ?

私たちは所属クリエイターや外部のクリエイター、アーティスト、他媒体とも協業してコンテンツを作りたいと思っている。ambitious ambitionとKATIEは「エクシス」という環境を使ったプロジェクトとして、象徴的なアーティストだ。

つまり、クリエイターたちの“ハブ”になる形だ。

そう。またそれだけでなく、「エクシス」が持っている環境をプラットフォーム化して、外部のクリエイターやアーティストにソリューションとして提供するビジネスを考えている。

阪急西宮ガーデンズが増床 教育と子育て支援でさらなる集客

阪急西宮北口駅前の大型ショッピングセンター(SC)「阪急西宮ガーデンズ」が、子育て世代の女性に照準を合わせて21日に増床オープンする。

今月開業10周年を迎えるにあたり、既存施設を「本館」と名称変更して改装を実施。クリニックモールと立体駐車場で構成する「別館」を10月1日に先行オープンしたのに続き、これまで本館と駅をつないでいた連絡デッキの一部を取り込む形で地下1階・地上10階の「ゲート館」を11月21日に開業して、3館体制にする。

ゲート館の総事業費は約40億円。延べ床面積約1万1600平方メートルに、大学、学習塾やクリニック、飲食店など13店舗が出店する。本館で不足気味だった飲食テナントを導入するとともに、地域住民の生活に必要な機能を持たせる。 

運営する阪急阪神不動産の若林常夫・社長はSCによる街作りの側面を強調する。「(親会社の)阪急阪神ホールディングスが掲げる2021年度までの中期経営計画のなかで大きなテーマの一つとなるのが、関西で一番住みやすい沿線にすること。ゲート館の開業はこのビジョンを実現するための一環。住宅情報サイトのランキングでは、西宮市は13年から毎年、関西で一番住みたい町として評価されている。これをさらに発展させていきたい。同時に、待機児童の問題など新たな課題が浮上してきているので、そうしたニーズに応える施設を目指した」。ゲート館の開業に合わせて、鉄道の高架下に認可保育と学童保育の施設も12月初旬に開く予定だ。

ゲート館は「教育」「子育て支援」「立ち寄りスポット」の3つをテーマにテナントを構成。文教住宅都市としての側面をさらに強化する目的で、7〜10階に関西学院大学の新キャンパスを誘致したほか、5〜6階には、西宮を中心に幼児から社会人までを対象とした総合教育を実践する学習塾「アップ教育企画」が入り、科学実験教室「サイエンスラボ」やレゴブロックを教材にプログラミング的思考などを育む「レゴスクール」、英会話教室「アナップ」、個別受験指導「個別館」など6教室を開校する。

子育て支援を目的とするテナントとしては、不妊治療や出生前診断を中心とした女性専門クリニック「レディース&ARTクリニック サンタクルス」が1階に入る。診療だけでなく妊活から育児相談、離乳食教室まで行なう他、併設したカフェではさまざまなイベントを開催し、子育てママをサポートする。4階には「ABCクッキングスタジオ」と女性専用フィットネススタジオ、ヘアサロン「K-two」が入る。

駅改札から本館への連絡通路でもある3〜4階は2層の吹き抜け空間とし、曲線や揺らぎをデザインに取り入れることで、ふらっと寄り道したくなる雰囲気を演出する。3階には、イタリアンベースの人気カフェレストラン「グッドスプーン(GOOD SPOON)」が兵庫県初出店となったほか、アップルパイ専門店の先駆け的存在「グラニースミス アップルパイ&コーヒー(GRANNY SMITH APPLE PIE&COFFEE)」も関西1号店を最大規模で出店する。

阪急西宮ガーデンズは来館者数が約2005万人(18年3月期)、売上高が約796億円(17年3月期)と西日本屈指の規模で、08年の開業以来右肩上がりで成長が続いている。同SCの三輪谷雅明・館長は「百貨店(西宮阪急)と映画館(TOHOシネマズ)が入り、幅広い年代層の集客に寄与したことが大きい。また、ゆったりと買い物ができる空間や屋上ガーデンなどの店舗環境も評価された」と話している。

世界の逸品を現地取材でお届けする「ワールド・ニュース・レポート」

12月13日(土)の次回の「ファッション通信」は、世界の逸品を現地取材でお届けする「ワールド・ニュース・レポート」を放映します。

ベルギー王室御用達のバッグブランド「デルヴォー(DELVAUX)」の魅力を東京とブリュッセルの店舗と工房からレポートします。また、130年の歴史を誇るスイスの高級ランジェリーブランド「ハンロ(HANRO)」のクリエーションにかける情熱をひもときます。

さらに、エスプリ溢れる「エルメス(HERMES)」によるレザーのエキシビション「レザー・フォーエバー」や、「レオナール(LEONARD)」による衣装展、創立125周年を迎えた「ランバン(LANVIN)」によるアニバーサリーイベントなど、世界各国から届いたモードの話題を結集。必見のラインアップになっています。

番組ラインアップ
デルヴォー(DELVAUX)
ハンロ(HANRO)
レオナール(LEONARD)
ランバン(LANVIN)
エルメス(HERMES)

「エス・テー・デュポン」が新たに時計コレクション スタートの理由を社長に直撃

「エス・テー・デュポン(S.T. DUPONT)」は1872年創業のフランスのブランドだ。日本ではライターのイメージが強いが、起源は旅行バッグをはじめとする皮革製品であり、筆記具やカフスなども販売している。2018年には時計コレクションもスタートした。フランスでは11月から販売しており、中心価格帯は500ユーロ(約6万2500円)。金属が溶けたような意匠のダイヤルを、ドーム型のクリアケースで囲った特徴的なルックスを持つ。来日したアラン・クルヴェ(Alain Crevet)社長に時計について、またブランドの未来予想図について聞いた。

なぜ時計を作ったのか?

アラン・クルヴェ=エス・テー・デュポン社長(以下、クルヴェ):主力アイテムのライターは緻密な機構を用いており、クラフツマンシップが詰まっている。そして工房は、時計作りの聖地であるスイス国境まで車で10分の距離にある。つまり下地はある。「エス・テー・デュポン」は旅行バッグからスタートしたブランドだが、客の求めに応える形でライターや筆記具、香水など“バッグの中身”も作るようになった。時計もそういったライフスタイルに欠かせないアイテムであり、必然性を感じている。

どんな時計を作る?

たくさんの時計ブランドがあり、世の中は時計で溢れている。いずれも美しいが、似たものも多い。だから「エス・テー・デュポン」は異なるアプローチをしたい。好き嫌いは分かれるだろうが、それでよい。そうでなくては新規参入する意味がない。長い歴史と高い技術を持つ時計専業ブランドと真っ向勝負する気はなく、ルックスで提案したい。

リュウズを左側に設定しているのもルックス重視のため?

その通りだ。印象的なダイヤルの意匠が相手からも見えるようにした。

デザイン重視だから、ムーブメントもクオーツでもよいと?

ユニークなデザインを適正価格で届けたい。セカンドウオッチとして週末やパーティー、気分転換で着けてほしい。フランスでは直営店やEC、ヨーロッパ最大級の百貨店ギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)で展開中だ。日本での発売は未定だが、19年春にはと思う。フランス同様、ライターと同程度の価格としたい。

旅行バッグを起源に持つヨーロッパブランドは多い。他社との違いは?

純粋に“フランスのブランドであること”だ。エス・テー・デュポンは売り上げ約6000万ユーロ(約75億円)の小さな会社だが、ラグジュアリー・アクセサリー分野では「100%メード・イン・フランス」だ。そして、その全てが手作り。例えば、ペン1本作るのにも60時間を要する。6層にうるしを塗るからだ。ラグジュアリー・ブランドには、ベルトコンベアー式の生産体制で手間を省くところもあるが、われわれはそれをしない。

直近のビジネス状況についてカテゴリー別に教えてほしい。

要は、やはりライター事業だ。売り上げの50%を支え、今なお成長している。そして20%をバッグやレザーグッズ、20%を万年筆などの筆記具、10%をカフスやタイクリップ、ライセンスの香水で構成する。

嫌煙時代にもかかわらず、ライター事業も成長している?

喫煙者は世界で約1億人。その数は減り続けているが、われわれは喫煙者のためにライターを作っているだけではない10月に発売した細長フォルムの“ザ・ウァン(THE WAND)”はキャンドルの点火用に開発したもので、暖炉や花火にも使える。スタイリッシュなフォームだから、オブジェとしてデスクの上にあっても様になる。

地域別の状況についても教えてほしい。

ヨーロッパとアジアが40%ずつを占める。後者は参入して42年を経た日本を中心に中国、韓国がけん引する。残りの20%はアメリカやロシアなど他のエリア。

必需品ではない、嗜好品を販売することの難しさはあるか?

ライターのみならず、筆記具の市場も縮小している。若い世代はメモの代わりにスマホやタブレットを使うが、クリエイターは手で書くことが必要だ。フランスでは本物が分かる人のことを“コネッサー(CONNAISSEUR)”と呼ぶが、価値を共有できる層にきちんと訴求したい。ブランドのDNAである、これらの事業をやめるつもりはない。